2012年6月24日日曜日

今年は梅雨明けが早いかも知れないと言われている。その後には酷暑がやってくるが、この頃になると夏ばて解消のため鰻を食べる。ここ3年ほど稚魚が激減していて鰻の値段が高騰している。子どもの頃は自分の家で鰻を焼いてよく食べた。炭をおこし鰻の頭を錐でまな板に刺してそれを裂くのだが元気の良いものは手に巻き付いてくる。よく言われている秘伝のタレなんて関係ない。砂糖と醤油と酒程度の加減で我が家独自の味に仕上げる。家からそれほど遠くない浜では夜になるとミミズを餌に鰻を釣っている人もいた。私も釣魚に凝っていた頃、梅雨に入ると夜になると湾内でスズキ釣りをしていた。時々その針に鰻が食いついて来ることがあった。近くの人は篭に木の枝などを入れそこに鰻を誘い込み漁をしていた。

 近頃は買い物に行ったついでに昼ご飯に鰻丼を食べることが主流になってしまったが私のイメージするものにはなかなか出会えない。タレが辛かったり焼きが甘かったりするのだ。それと、値段が問題だ。元々、鰻は庶民の食べ物で今ほど大騒ぎして食べるものではなかったはず。来客があったりしたとき気軽に出前を頼みお腹を満足させる程度のものだと思ってきた。醤油と砂糖と酒、味醂の濃い味に焼いて漬け込んだものだから高級な料理とは考えにくい。しかし一級の味覚には間違いない。
 近郷にも昔からの老舗が数軒ありそれぞれ固定のファンを持っている。志摩の民は自然の素材が豊かであったため舌も肥えている。とかいう私も自分の町のH店の鰻が好きである。焼き加減、タレの味とどれ一つとっても私の舌を納得させてくれる。先日も鰻の弁当を頂いたが、鰻の高騰が反映されていて、4切れ(肉厚で大きかったが・・・。)乗っていて2300円だった。あと500円安ければ一気にかき込むのだが、一口ずつ時間をかけてじっくりと味わった。

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