隣の町の御田植祭りは全国三大祭りとして有名だ。私の町には祭りらしい物がなかったので子どもの頃は隣接の町の祭りによく行ったものだ。小学校の頃は2限で放課となり急いで家に帰り母親に連れて行ってもらったことを思い出す。伊雑宮の水田に古式ゆかしい姿で早乙女が田植えをするのだが、とれた米は伊勢神宮に奉納される。また、祭りのハイライトでもある竹の争奪戦は迫力がある。もちろん子どもだった私の関心事は露天で売られていた食べ物や金魚そして怪しげな玩具だった。磯部町は地区をあげての行事となりそこから通勤してくる人は仲間にサワ餅と言われる郷土のお菓子を振る舞ったりする。最近の私はこの日に黒豆を植えることにしている。ポリフェノールが入っているとか健康に良いとかで健康食品になってしまっているが、昔から黒豆を食べていれば風邪をひかないとかこの地方ではよく言われてきた。なぜ、この日に植えるのかと言うことだが昔の人の言い伝えによるものだ。先人の話を聞いていると科学的な根拠が恐らくないだろうと思われるものもあるが納得させられるものもある。言い伝えと言うよりも先祖の知恵の蓄積だと思う。多分早く食べようと思ってエダマメと同じような時期に植えてもいい結果はでないだろうと思う。かつて早く植えたことがあったが結果は良くなかった。この黒豆だが正月の煮豆として利用するほかに私は未完熟の頃にエダマメとして食べるのが好きだ。普通のエダマメよりも粒が大きく味は濃厚で遙かに美味い。さてさて祭りそのものは地域の無形文化財としていつまでも伝えて行かねばならないが、黒豆を通して私との接点を持ち続けている。今日は黒豆を植えたのだがその横ですくすくと育っている人参を少し掘ってみた。先日間引きをしたときにはバターでソテーして料理の付け合わせくらいにしか利用できなかったが、降雨と追肥が効いたのか立派な収穫サイズになっていた。春に蒔いた人参は保存性がいまいちなので、配り歩くしかない。しばらくは人参料理が続く。
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