2012年6月30日土曜日

6月最後

6月も最後の日となった。今日は朝から最後の芋植をした。既に予定分の芋植は済ませてあったがジャガイモの跡地が2列空いていたので鳴門金時と隼人芋を植えた。今夜から雨が降るという予報なので確実に根付くと思う。自家採苗のものは鮮度も良好で店頭に何日も置かれていないので植えれば殆ど活着してくれる。難を言えばビニルシートで保温はしているが露地で苗を育てているため若干遅めになるということだろうか。
過日の台風4,5号で倒れてしまったトウモロコシも茎の下部は曲がってはいるが穂は上を向いて実を着実に太らせている。
午前中にニンジン、モロッコインゲン、インゲン、ピーマン、牛蒡、三つ葉、キャベツ、大根、枝豆、小松菜、キュウリを収穫した。これらは貢ぎ物である。ニンジンの例でも収穫期が一度にやってくるので蒔いた種は責任を持って刈り取らねばならないが、私どちらかというと収穫よりも育てる過程の方に関心があり徒長させてしまうこともある。画像は6/30のものだが手前から牛蒡、トウモロコシ、スイカ、ウリ、ナス、ゴーヤ、ピーマン、山芋、伊勢芋、オクラ、モロヘイア、里芋、生姜が植わっている。奥の方はトウモロコシ、ピーナッツ、アスパラ、枝豆、カボチャ、甘藷、ネギ、インゲン、キュウリ、セロリ、黒豆が育っている。

2012年6月29日金曜日

里芋

 芋と言えばサツマイモを連想してしまうが、古より山の芋に対して里の芋と言うことで私たちには馴染みが深いが両者ともジャガイモや甘藷の陰に隠れてしまっている感がある。少なくとも常備野菜とは言えない。晩秋に掘り出し煮物や衣かつぎでシンプルに生姜醤油で口に放り込む美味しさは格別である。毎年決定的な栽培法が確立しないまま畑に植えているが、種芋は前年度分を保存し使い回している。夏から秋にかけて草勢が活発になり小雨なら葉をちぎって傘代わりに使えるくらいになる。しかし元々南方系の植物、以外と乾燥に弱い。昨年はトウモロコシの収穫後に出来た茎や葉を敷き藁にし灌水をしたり土寄せをしたり脇芽を除去したりして栽培したが手間がかかりすぎた。今年は黒マルチで栽培している。除草や保水性があるため灌水の手間が省けそうだ。中秋の名月の頃お供えにとも思うのだが多分初霜が降りる頃掘り出して煮物にすると思う。二種類の里芋を栽培しているが、収量も多く大きな芋が採れる石川系と茎も親芋も食べられるねっとりとした食感のあるものを育てている。収穫はまだまだ先だが元気に育っている。

2012年6月28日木曜日

はっと思ってふり返る

家の近くを歩いていてハッと思いふり返ることがある。私、野菜作りは楽しいので続けているが花卉も育てないわけではない。近くのお婆さんのことであるが趣味の良い花を育てている。町の花壇やガーデニングに精を出されている方々の花々とは少し趣が違う。同じ花でも丹精が行き届いているため色が鮮やかなのである。そればかりではなく周りの明るさや景観との調和を意識されているかどうかは定かではないが見事なのである。思わずふり返り凝視してしまう。昔から花泥棒はその罪を問われないとされているが、同じアジサイの花であっても思わずひと枝拝借したくなってしまう。しかし、そのお婆さんの花は彼女の花畑に咲いていてこそ価値があると思うので頂いてはいない。

 私も花の美しさには幾度となく心ときめいたことがある。画像の花、名前も調べたことがあるがそれよりも毎年この時期から夏場にかけて小さいながら涼しげな可憐な花を咲かせてくれる。頂いたのはたったひと枝だけだったが生け花を楽しんだ後、挿し木をして増やしたものだ。花を咲かせていない季節はどうしても水やりや施肥が疎かになり忘れられているが、この季節になると目を楽しませてくれる。育て始めてから十年近くなるが、挿し木を続け家の周りに何カ所か増えているがよく似た色合いの芙蓉のように花は大きくはなく、どちらかと言えば控えめな奥ゆかしさのある花である。

2012年6月27日水曜日

人が集まった

 今日はお天気の見通しが立たず野菜でも収穫するつもりで畑に向かった。隣の畑では番茶の刈り込みをされていた。途中茶を刈り込むエンジンの音が不安定になったかと思ったら機械が動かなくなってしまっていた。親子で作業をされていたのだが息子さんが私が車を止めているところに歩いて来られた。どうもキャブの所に通じるパイプに穴が空いており燃料と空気の混合がうまく行かないそうだ。この路傍、軽トラックがやっとすれ違うことができる幅しかないが、皆さん狭いところで鉢合わせになれば気持ちよく会釈をかわし譲り合って利用している。町中のように自己の権利を主張し合うことはない。そんな話をしていたら同級生のM君がやってきた。親戚の畑が奥の方にあるので年に何回か立ち話をする。共通の知人の最近の様子などの話を聞いた。小学校からの同級生のS君が最近帰省したと言うことだが不景気で宝飾の仕事も陰りを感じているとの情報だった。そこへいつも道を通るたびに声をかけてくれる3年先輩のHさんが足をとめてくれた。最近浜島と御座の間でアジが面白いように釣れる話などを聞いた。最後は私が常より見習うべきだと思っている篤農家のNさんが加わった。皆さん仕事の途中なのだが時間に拘束されていないので寄れば四方山話に花が咲く。

 この畑、普段は殆ど人通りもなく寂しいところにあるのだが今日は小一時間にぎやかだった。

2012年6月26日火曜日

ちらし寿司

 私の住んでいる町を始め志摩市には美味い寿司屋さんが多いように思う。それぞれ特色のある味を提供してくれているのも楽しみの一つだ。志摩町和具にも好きな店があり店を訪れるたび期待が膨らむ。新鮮で良質の魚と寿司屋とのかずとは相関があるのだろう。
 私も良い魚と出会ったときは持ち帰って寿司にしたら美味いだろうと思ってしまう。今日は鯖のちらし寿司を作った。具の中にはmade in my farmの甘酢につけて置いた生姜、堀りたての牛蒡、人参そしてインゲンが他の具と一緒に入っている。母親はしめ鯖に対してとても用心深かったため子どもの頃からあまり食べさせてもらった記憶がない。その後いろんな所でこの寿司を食べる機会が増えていったが、お腹を壊したことなく今日に至っている。私の知人にしめ鯖にあたり七転八倒する目に遭った人がいる。どうも鯖や烏賊に寄生するアニサキスという線虫のような生き物が胃壁に食いつき激痛を与えたらしい。とても辛抱できるような状態ではなかったらしく日赤病院まで駆け込み鉗子で取ってもらったらしい。その話を聞いてから私も鯖の生には注意を払うようになった。実際自分が買ったスルメイカにはアニサキスがいたことがあった。虫の他にも食中毒に繋がるような細菌がいるが鮮度の善し悪しをよく見れば避けられると信じている。アニサキスについては鮮度の良いものほど活性が高いと言うから始末が悪い。以来、鯖と烏賊は生食する場合は一度冷凍することにしている。食味は損なわれるが安心・安全第一である。烏賊に限っては冷凍したものを刺身にしてもそれほど食味は低下しないと思う。烏賊は塩辛も自分で作ることがあるが一旦冷蔵庫内で調味料と共に熟成させたものを冷凍してから食卓に出している。私の知人などは鯖は皮をちゃんと剥いて青じそを添えて食べるといいと言うが、皮を食べないと言うのは当然のことでここには食中毒の原因になる菌が付着していると理解できるが、大葉で魚肉の中のアニサキスが殺せるとは思えない。今日のしめ鯖も一度しめてから冷凍したものである。ビクビクしながら食べるよりも安心して食べられる方が良いに決まっている。椎茸、高野豆腐、錦糸卵、刻み海苔そして畑の野菜が鯖の脂と渾然一体になって口の中で混ざり合い口内調味される。このハーモニーは何とも言えない。

2012年6月25日月曜日

シマアジ

シマアジは美味い魚だ。私、今は野菜作りを楽しみとしているが一時釣魚に凝っていたことがあった。趣味が高じて船舶免許を取り志摩半島の先端から太平洋側へ魚を釣りに行ったこともあった。それまでにも磯釣りを中心に魚釣りを楽しんでいたが、冬場になると南島町の相賀浦の渡船を使って寒グレなどを釣っていた。海が荒れていて渡船が出なかったとき地磯からシマアジを釣ったことがあった。アジの仲間は大抵美味い物だがこのシマアジは別格だと思う。今回食したのは画像のものである。釣りをしていた頃から持ち帰った魚は自分で調理していたので、このシマアジも三枚におろし刺身にした。脂が乗っていることももちろんだが旨味を強く感じる魚だ。食べた後のことだがこれで寿司を握ってもよかったと思った。
 志摩は温暖で私のように菜園を楽しむのも良いが、もともと豊かな海の幸に恵まれた土地である。魚種が豊かで年間を通して様々な味で舌を喜ばせてくれる。時々魚屋さんのショーケースをのぞき込み、美味そうと感じたら衝動的に買い求めてしまうことがある。目を見たりエラを見たりするが、志摩で買い求める魚は殆どと言って 間違いはない。

2012年6月24日日曜日

今年は梅雨明けが早いかも知れないと言われている。その後には酷暑がやってくるが、この頃になると夏ばて解消のため鰻を食べる。ここ3年ほど稚魚が激減していて鰻の値段が高騰している。子どもの頃は自分の家で鰻を焼いてよく食べた。炭をおこし鰻の頭を錐でまな板に刺してそれを裂くのだが元気の良いものは手に巻き付いてくる。よく言われている秘伝のタレなんて関係ない。砂糖と醤油と酒程度の加減で我が家独自の味に仕上げる。家からそれほど遠くない浜では夜になるとミミズを餌に鰻を釣っている人もいた。私も釣魚に凝っていた頃、梅雨に入ると夜になると湾内でスズキ釣りをしていた。時々その針に鰻が食いついて来ることがあった。近くの人は篭に木の枝などを入れそこに鰻を誘い込み漁をしていた。

 近頃は買い物に行ったついでに昼ご飯に鰻丼を食べることが主流になってしまったが私のイメージするものにはなかなか出会えない。タレが辛かったり焼きが甘かったりするのだ。それと、値段が問題だ。元々、鰻は庶民の食べ物で今ほど大騒ぎして食べるものではなかったはず。来客があったりしたとき気軽に出前を頼みお腹を満足させる程度のものだと思ってきた。醤油と砂糖と酒、味醂の濃い味に焼いて漬け込んだものだから高級な料理とは考えにくい。しかし一級の味覚には間違いない。
 近郷にも昔からの老舗が数軒ありそれぞれ固定のファンを持っている。志摩の民は自然の素材が豊かであったため舌も肥えている。とかいう私も自分の町のH店の鰻が好きである。焼き加減、タレの味とどれ一つとっても私の舌を納得させてくれる。先日も鰻の弁当を頂いたが、鰻の高騰が反映されていて、4切れ(肉厚で大きかったが・・・。)乗っていて2300円だった。あと500円安ければ一気にかき込むのだが、一口ずつ時間をかけてじっくりと味わった。

2012年6月23日土曜日

御田植祭り

 隣の町の御田植祭りは全国三大祭りとして有名だ。私の町には祭りらしい物がなかったので子どもの頃は隣接の町の祭りによく行ったものだ。小学校の頃は2限で放課となり急いで家に帰り母親に連れて行ってもらったことを思い出す。伊雑宮の水田に古式ゆかしい姿で早乙女が田植えをするのだが、とれた米は伊勢神宮に奉納される。また、祭りのハイライトでもある竹の争奪戦は迫力がある。もちろん子どもだった私の関心事は露天で売られていた食べ物や金魚そして怪しげな玩具だった。磯部町は地区をあげての行事となりそこから通勤してくる人は仲間にサワ餅と言われる郷土のお菓子を振る舞ったりする。最近の私はこの日に黒豆を植えることにしている。ポリフェノールが入っているとか健康に良いとかで健康食品になってしまっているが、昔から黒豆を食べていれば風邪をひかないとかこの地方ではよく言われてきた。なぜ、この日に植えるのかと言うことだが昔の人の言い伝えによるものだ。先人の話を聞いていると科学的な根拠が恐らくないだろうと思われるものもあるが納得させられるものもある。言い伝えと言うよりも先祖の知恵の蓄積だと思う。多分早く食べようと思ってエダマメと同じような時期に植えてもいい結果はでないだろうと思う。かつて早く植えたことがあったが結果は良くなかった。この黒豆だが正月の煮豆として利用するほかに私は未完熟の頃にエダマメとして食べるのが好きだ。普通のエダマメよりも粒が大きく味は濃厚で遙かに美味い。さてさて祭りそのものは地域の無形文化財としていつまでも伝えて行かねばならないが、黒豆を通して私との接点を持ち続けている。今日は黒豆を植えたのだがその横ですくすくと育っている人参を少し掘ってみた。先日間引きをしたときにはバターでソテーして料理の付け合わせくらいにしか利用できなかったが、降雨と追肥が効いたのか立派な収穫サイズになっていた。春に蒔いた人参は保存性がいまいちなので、配り歩くしかない。しばらくは人参料理が続く。

2012年6月22日金曜日

熱帯低気圧

一難去ってまた一難。一昨日やってきた台風4号のすぐ後に5号が来ていた。この台風は熱帯低気圧に変わり台風としての勢力はなくなってはいたが、天気予報ではしきりに大雨やそれまでに地中にしみ込んだ雨水による土砂災害への警告ばかりしていた。温帯低気圧といえども元々は台風由来の物、夜中にはかなりの強風を感じた。我が家でも先の台風では倒れなかった物干し竿が伏していた。局地的に突風が吹き荒れたのかも知れない。菜園の見回りに行ったがトウモロコシが一昨日と同じ状態になっていた。昨日はマムシと格闘しながら一本一本起こしていったのだが今日も気が滅入りそうになった。実がつき始めているので強引に起こすと茎が折れてしまう。また手間暇のかかる作業となった。突風を疑ったのはほかでもない、ピーマンの茎がねじれるようにしてわき芽のところから折れている物が数本あった。植え付けが遅かっったので背丈も低く3本には仕立て誘引していなかったが、これも杖を追加して麻紐で固定してきた。同じ事がナスでも起こっていた。トウモロコシ同様、手間のかかる作業となった。天気予報の言ったことを確かめるべく昨日ひとつの水槽を洗浄も兼ね空にしてきた。120mmくらいの降水量だった。水が土手の斜面では伏流水のようになって湧き出ているところもあった。この状態、しばらく続くのだろう。

2012年6月21日木曜日

トウモロコシの世話をしていたら

台風4号もこの時期の畑には被害をもたらし、しかも大量の雨を降らせて去っていった。少なくとも300mm~400mmは降ったのではないだろうか。畑の水槽は満杯になっていた。昨日は所用があり気にはなっていたが畑に行くことが出来なかった。かつては周囲は全て農地であったが耕作が放棄されてからすっかり森に変わってしまっている。広葉樹の雑木林にすっぽりと囲まれ日照時間も少なくなってきている。その反面このような強風はある程度防ぐことが出来ているのかも知れない。自宅近所のトウモロコシは平伏してしまっつていたが畑のものはそれほどでもなかった。とは言え45°くらいには全てのものが傾いていた。昨日一日放置しただけだが傾いたまま太陽の方に姿勢を取り直している。このままでは具合が悪いので根本を踏みながら起こすことにした。トウモロコシは南側に2列、北側に1列時間差で種を蒔いてあるが先に蒔いた物は実が入れかけていて重心がかなり上の方に来ている。そのため倒れ方も角度が大きい。小雨の中何とか起こすことが出来たが、作業中招かざる客に遭遇した。今年になって初めてのマムシである。トウモロコシの茎を起こしていたら根本のあたりから這いだしてきた。マムシは見つけたら必ず捕殺することが鉄則なので情けをかけたり容赦はしない。トウモロコシのすぐ脇にはエダマメが植えてあり鍬で狙うも周りの物が邪魔になる。それでも頭にねらいを定め一撃で 仕留めた。さらにとどめを刺して空き地に放り投げトウモロコシの作業を続けた。この生き物、必ず夫婦でいるので注意を払いながらトウモロコシの茎を立てていくが、小雨のこともあってメガネが曇るので外していた。近視というのはこういうとき不便な物である。2㍍ほど先に進んでいったところ案の定
もう一匹発見した。これも今度は必ずいるだろうと思っていたので余裕

をもって捕殺となった。うかつに踏みつけたり手を入れたりしていたら噛まれることもあるので要注意だ。相手は私が地面を踏む振動で既に人間の存在を先に察知していただろうが、敵をどちらが早期発見するかが大事だと思った。このマムシたち、普段は雑木林の中にいるのだろうが、あれだけ大量の雨が降ったり、あるいはイノシシなどの動物に追われたり、理由はあくまでも推測だが、このような条件下ではよく畑に顔を出してくれる。画像は、今日捕殺した2匹のマムシである。







2012年6月20日水曜日

6月の台風

暴風こそ大したことはなかったが滅多に襲来しないこの時期の台風。しかし、この進路は志摩には最悪のコースだ。当地の西側を通過する訳だから風の被害を最も受ける。本来台風は高気圧の縁に沿って北上するのだから大陸の方に進むのがこの時期普通だと思っていて対策も何一つ打っていなかった。そうとわかっていたら夏野菜が倒れないように杖などをしてきたところだが、鷹をくくっていた。残念なことに今日は前もって約束していたことがあったので時間がなく畑の見回りには行っていない。御近所のトウモロコシ畑などの様子を見ていると私の畑も同様になっていることが想像できる。この台風、規模はそれほどでもなかったので実際に強風を感じたのは2時間程度であったが人の背丈を超えているトウモロコシや脆弱なナスやピーマンにとっては長い時間だったと思う。トウモロコシは雌穂が既に出ていて収穫まであと2週間程度と言うところまで来ているが、何とか無事を願いたい。自宅が志摩では高台(SL.23m)にあるので普段から風はよく当たるが台風が来るといつも裏にある竹藪の様子を眺めている。映画の一シーンを眺めているようでもある。

2012年6月19日火曜日

インゲン・モロッコ

 インゲンとモロッコインゲンを収穫してきた。先週から採り始めているが調子はまずまずである。インゲンは隠元和尚に由来するが来歴はともかくとして露地でも年に3度にわたって栽培できる。作りやすい野菜なのでどちらかというと畑の周囲に近く、日当たりも肥料分もそれほど潤沢でないところに棚以外はあまり手をかけずに育てている。食材としては豌豆などの時期を過ぎてから天ぷら、煮物、和え物と利用頻度は高い。今回のようにまだまだ気温が極端に高くないこの時期、採れたての瑞々しいものはバターでソテーしても美味い物である。サッと湯がいた莢は色目も鮮やかである。早速、白和えの具として食した。近年八百屋さんでもよく見かけるようになったモロッコインゲンは幅広で見た目は美味しくなさそうだが天ぷらにはこちらの方が美味い。食味だけを比較すれば昔からあるインゲンよりも優れているように思う。それぞれ7~8株ずつ植えているが次から次へと実をつけるのでこれだけあれば食べきれない。いつものように今日収穫したものの半量は人様に差し上げることとした。

2012年6月18日月曜日

今日の野生生物

イノシシが畑の周囲を掘り返している。今から20年ほど前、志摩半島にはイノシシがいなくなるとさえ言われたが、今やおびただしいと言ってもいいくらい発生している。かつて未だ電気柵を設置していなかった頃サツマイモの苗を植えた翌日には全部掘り返されたことがあった。また、ジャガイモ、里芋などの芋類やカボチャ、スイカ、ウリなどの果菜類もかなり被害に遭っていた。防獣ネットと電気柵で何とか侵入は阻止しているがバッテリーの電気が切れたときなどはこの限りではない。今日は畑の周囲(電気柵外)を見ていたら深さ50㎝、直径40㎝くらいの堀りたての穴が3つ空いていた。カブトムシ等の幼虫を捕っていたのか葛等の地下茎を掘っていたのかわからないがイノシシの仕業に間違いはない。これだけの穴を掘るには相当のエネルギーを使ったと思うが果たしてそれに見合うほどの食糧が得られたのか甚だ疑問に思う。イノシシはさておき、野良仕事をしていると時々キジの鳴き声がしてくる。畑の近くの山には以前からキジが住み着いており母親の後をヒヨコが数羽ヨチヨチと行進している風景に出会うことがある。今のように作物を栽培していなかった頃は畑の中に巣を作り雛を育てていたこともあった。今日は雄のキジに出会った。野生の生き物のたくましさ、したたかさでしょうか、草むらに逃げ込んで人の目から見えないように身を隠す巧みさに感心した。帰り道には1.5㍍以上はあるアオダイショウにも遭遇した。路面とタイヤの震動音を関知するや、これも路肩から茂みへと逃げていった。ペットにはしたくないが、野生の生き物は美しいものだと改めて思った。

2012年6月17日日曜日

梅を漬ける

 今年も梅が実ったので梅干しを漬けることにした。梅花の季節はやはり寒気の影響を受け不揃いな開花となった。やはりこのことが後々梅の収量に影響した。県下の情報も例年より4割くらいの減収ということだ。毎年張り切って漬けるが半分以上は食べきれず納戸に収納されたままになってしまう。腐る物ではないし殺菌効果もあるのでと思いつつストックが増え続けている。数年前までは塩分量18㌫~20㌫で漬けていたがこれでは塩辛く健康にも良くないので最近は塩分を12㌫にし不足分は砂糖と焼酎で補っている。食べてみるとそれほど糖分は感じないので今年もこの割合で漬けることにした。スーパーでは梅と一緒に赤ジソも売っているが私の畑の赤ジソは未だ小さいので生長を待って追加することにしている。畑の梅の木も自由気ままに枝が伸び放題になっていたので「梅切らぬバカ」という言い伝えを信じつつコンパクトに剪定してきた。梅の実を見ていて思うのだが自然状態で育てると虫に食べられたり黒い斑点が出たりしている。店頭の物は傷もなく斑点もなくプラムのように綺麗だが、剪定や日照、風通し等の手入れを丹念にしているのだろうと思う。私は自家消費が主眼なのであまり気にしないで育てている。でも、出来ることなら綺麗な実に育てたい物だ。

2012年6月16日土曜日

サツマイモを植える

雨を見込みサツマイモ(鳴戸金時)の苗を植えた。自家採苗のものだが30㎝くらいに伸びたものがあったので挿してきた。 梅雨と気温の上昇を受けこれから苗床のものがどんどん生長してくると思う。既に植え付けのピークを過ぎ園芸店には売られていないがこの地方の自然なサイクルに合わせると芋植はこれからだと思っている。物の本には植え付け後の苗の葉が枯れても問題なく根付いてくると書かれているが降雨がなければ何割かは枯死してしまう。温かいビニルハウスで育った苗はなおさらである。今日から相当の雨が期待される。おそらく活着率100㌫だと思う。これからしばらく畑に行く毎に20本程度ずつ苗を挿していくことになるが多少のタイムラグは気にしない。作業が慌ただしかったので「隼人芋」の苗が育っていたが植え付けるのを忘れていた。これは干し芋に加工する物だが最近リクエストが高まってきている。
 私、あまり進んで芋を食べようとはしないが食物繊維やビタミンそしてカリウムを含み健康には良いようである。今までベニアズマ、紅小町等の関東系のものを栽培してきたが今年は関西系の鳴戸金時だけを栽培している。一応名の通った美味しいと言われている銘柄なのだが、この畑の栄養状態や土に合うのは今年植え付けた物だと思っている。夏場の日照りや秋口から発生する害虫等の襲撃をかいくぐり11月の半ばまで芋を太らせていくのだが、蔓返しをする程度でそれ以外は自然に任せて育てることになる。なにかあったとき救荒作物になるのではないかと毎年思いながら栽培を続けている。

2012年6月15日金曜日

百の姓

美味い野菜を手作りしてみたいと言うのが主たる動機であったが、人様に喜んでもらったり父母の耕作した畑を続けたい、自らの健康のため、精神に潤いを・・・etc.副次的なものが沢山ある。今年、キュウリの第1弾として北側の畑の片隅に棚を設置し育て始めた。先日初生りが食卓に上ったがどうもその後が続かない。雌花は沢山確認しているのだがイメージとは少し違う。もともとキュウリは次々と生って当たり前で亀やカラスに食べられてもあるいは取り忘れ子どもの腕ほどの大きさに徒長しても一向に気にかけてこなかった。もしかしたら今回は蔓ボケになっているのかも知れない。肥料のバランスがよくなく実に行くべき養分が葉や茎に行っているのかも知れない。観察してみると葉は黒々としていてすこぶる繁茂している。ここの土壌は堆肥がふんだんに鋤き込まれ元肥としてヨウリンと14-14-14の化成肥料が施されている。ここまでは何ら問題はなさそうなのだが、蔓が50㎝くらいの時追肥を与えてしまったのが良くなかったのかも知れない。

 ふと百姓という言葉を思い浮かべてしまった。百の姓を持つ仕事と言われるほど農業には様々な専門的な知識が要ると思っているのだが、肥料だけを取り上げても生物学や化学の知識が不可欠である。いつもお天気の事が気になっているので気象学の情報も欠かせないし、害虫対策として昆虫一般に渡る知識も要る。もちろん作物に対する基本的な植物学の知識は言うまでもない。私、営利は考えていないので経済・経営学は無視するとしても資材を購入したり結構投資しなければ成り立たない。また、食の事を考えると栄養学などの知識が要る。どれ一つ欠いても野菜の健やかな生長と収穫は期待できない。百の姓と記したが野菜作りには総合科学的な知識が網羅されている。

2012年6月14日木曜日

有り難く拝受します

 先日の市内N小学校でのコンサートの後で広垣氏から私の持っていった小さなギターを借りたいという申し出があった。もともと楽器としては程度も良くないので殆ど放置状態の物なので使っていただくことにした。何でも小さな生徒さん用に使いたいとのことだった。ところがふたを開けてみるとその生徒さん、どちらかというと乳幼児に近い方だったそうな(苦笑!)。それで不要になったため返却するというメールを頂いた。玄関で失礼したのだがお礼だと言って手作りのCDを頂いた。何のお役にも立っていないのに恐縮である。氏の音楽活動の中でCD作りは大きな柱の一つになっている。46枚目の作品でその中のいくつかは今までにも頂いている。普段コンサートでは取り上げられないような作品も網羅されていて愛好家には堪らない物である。初期の物は音の採り方に課題があったように思うがギター音楽を楽しむ目的では十分価値がある。私、これも広垣氏の音楽活動の根幹に関わる作品だと思っているので甚だ恐縮だが少々辛口のコメントをしてきた。ギターの演奏とプログラムについては極上品で、一枚一枚が氏の足跡だと言っても過言ではない。それだけにもう少し録音について配慮いただけないかと言い続けてきた。CD46枚というのは贔屓目に見ても30ステージは演奏できるレパートリーで、これだけ弾きこなせるギタリストは少ないのではないだろうかと思っている。その一つ一つが隅々まで神経の行き届いた演奏なのだから賞賛に値する。このCD、販売はしていないがコンサートの受付で「カンパ」と言う形で経費のみもらっているようである。録音機材にもう少し投資をすれば立派な商品として需要が見込めるのにと思う。今回のNo.46のCD、有り難く拝受します。

2012年6月13日水曜日

紅茶作り

私、子どもの頃友達の家で生まれて初めての紅茶を口にした。恐らくそれほど高級な物ではなかっただろうと思うのだが非常に強い芳醇な香りを感じそれが感覚にインプリントされてしまった。以来、紅茶を飲む機会は増えていったがあれほどの感覚をくすぐるフレーバーに出会ったことがない。その後再び紅茶をよく飲むようになったのは学生の頃だった。普段はティーバッグで済ませていたがバイトで稼ぎがあったときはトワイニングの缶を何種類か買い込んでいた。入れ方も色々と凝ったが友人のN君の入れた物にはかなわなかっった。その後しばらく紅茶のことは意識しなくなってしまったが、最近いろんな銘柄を試すようになった。一応有名な物で美味いと言われるものも試したが、幼い頃に体験したあの感覚をくすぐるような香りには出会っていない。 近年感じるのだが、世界的に有名な産地の物よりも国産の例えば静岡産の物が私の幼児体験を彷彿とさせる味と風味を持っていたように思う。そんな中、以前から知ってはいたが紅茶作りにチャレンジしてみることにした。インドやスリランカとは気候も風土も違うが出来たての紅茶は香りが良いのではないかと期待しつつ、一昨日畑の周囲に残っていた茶の木から茶葉を1㎏程度摘んできた。この茶の木は志摩町越賀の在来種でずうっと緑茶として製茶していたものだが緑茶も紅茶も由来は同じ、ただ製法が異なるだけと言うことなので試してみることにした。一晩風通しの良いところに放置し、昨日それを1時間かけて手で揉んだ。この工程がなかなか骨の折れる仕事で、15分くらい揉んでいると汁が出てきてまとまりやすくなってくるが、揉む手が疲れてくる。途中かなり休憩を取りながら元の形とは違った状態になるまで揉み続けた。これで良いのだろうかという不安はあったが、今度はそれを発酵させる工程になる。25℃くらいの温度にすると、茶葉自体の酵素による発酵熱も加わり熟成するそうなのだが、生憎昨日は6月にしては気温が低かった。見回すと冷蔵庫があったので、その外枠の上部なら温度を保ってくれるのではないかと気づいた。この発酵の善し悪しが紅茶の味や風味を左右するらしい。5時間ほどその状態をキープし、次は乾燥の工程に入った。100℃の温風は家庭にはないのでフライパンにキッチンペーパーを敷き極弱火で乾燥させた。電子レンジやオーブンまで駆使しどうにか紅茶らしき物が完成した。早速試飲したが、色は薄めだったが味と香りは私の幼少時の味覚をよみがえらせてくれるものだった。入れる時間を長めにしたり、ミルクを入れたり色々と試してみた。ビギナーズラックで、たまたま今回上手く行ったのかも知れないし、次回同じ物が出来るかどうかわからないがmade in Shimaで美味い紅茶が出来ることがわかった。地産地消、耕作放棄された畑の周囲には茶の木がいっぱいあるし最近は春先の一番茶しか摘まれていない事を考えると二番茶三番茶を加工し志摩の特産品になっても良いのではないかと思った。思いつきはさておき、夏場に出た芽を紅茶にすると良い物がとれると言うことなのでその頃また作ってみたいと思った。

2012年6月12日火曜日

キャットタワーを制作

猫は元々好きではなかったが、一年前から扶養家族になっている。私の部屋が好きなようでドアを開けっ放しにしておくと無断で侵入してくる。数組のオーディオセット、PC、レコード・CDの棚が所狭しと乱立している。どうもこの環境がいたく気に入っているみたいである。しかし、私の見ていないときに悪戯されるのはNGで積み上げてある物を倒されたり爪研ぎに使われるのはご免被りたい。猫は高いところに陣取り人間を見下ろすのが好みのようなので意を決しキャットタワーを作った。2×4の木材を2本買ってきて残りはスピーカー作りで残っていた板や廃材を使った。経費は500円程度で半日がかりで組み立てた。リビングに持っていき離れでデッドストックになっていた耐震ポールで天井と固定した。犬と違いなかなか人の言うことは聞かないが朝の挨拶でしきりに何度も体をすり寄せてきたりするので、これをプレゼントしたという次第。但し、猫には私から作ってもらったという感謝の気持ちは皆無である。

2012年6月11日月曜日

トウモロコシの雄穂

昼頃から風が強くなってきた。メイストームの時は毎年トウモロコシの背丈が低く、例え倒れてしまってもこの植物は数日もすると立派に立ち直る。しかし人間の背丈を超えるようになると強風は心配になる。何とか無事な姿を見て安心した。生育の不揃い感はあるが雄穂が出そろい花粉を落としていた。来月には茹でたてのトウモロコシが腹一杯食べられそうである。この時期アワノメイガが雄穂の所から入り込まないことを願うばかりである。風と言えば、ナスやピーマンも麻紐でしっかりと誘引してあげなければ倒れてしまう。今年は計4列にわたり両者を作つけている。ナスを2種類、ピーマンも2種類であるが2度目の誘引になる。ナスは人様が植えてから作付けすれば良いという言い伝えを信じつつ種から育てたものを植えている。背丈こそ未だ低いが葉の色は黒々していて逞しい。ついでに余分な脇芽も欠いてあげた。

2012年6月10日日曜日

Günter Wandを聴く

私、TVはあまり見ないのだが、その理由はくだらない番組ばかりの一語に尽きる。特にゴールデンタイムに放映されている下品な芸をこれでもかと押しつけられる事には辟易している。人の美醜についてとやかくいうつもりはないが、話題、行動、芸風どれを取り上げても最早、美学的犯罪を犯しているとしか思えない。それらを芸と呼ぶには余りにも寂しく思えてならない。公共の電波を使ってこのようなものを見せられるのには不快感を感じる。限りなく低俗で面白くなく下品に感じるのである。そんな理由でニュースや芸術番組以外は興味をそそられない。決して安いとは言えない某国営放送も最近はどうも信用が出来ないと感じている。今朝は早く起きて新聞に目を通していると国営放送の「ららら・クラシック」という番組欄にギュンター・ヴァントの名前があった。ヴァントは私の大好きなブルックナーの演奏で有名だが、解説では20世紀最後の巨匠で指揮者による独自の解釈を排除した折り目正しい演奏を聴かせてくれると言うことだった。作曲されたものはそれ自体完成品で後世の我々が余計な解釈をすべきではないという姿勢には共感を感じた。クラシックギターの演奏でも巨匠と言われた人のそれには時として違和感を感じるものがある。装飾音、トリル、ビブラート等々「○○節だ!(歌謡曲じゃないよ!!!)」と思わず言いたくなる。近年の演奏家は、いかに演奏すると良いのか研究されている人が多いので比較的安心して聴ける。さて、本題のヴァントの演奏だがハフナーと「運命」の二曲で北ドイツ放送交響楽団とN響の演奏だった。指揮者ヴァント70歳の演奏だが大器晩成と言われた由縁が伝わってきたように思った。

2012年6月9日土曜日

スズメが増えている。

 キュウリやインゲン豆は何回かに分けて栽培し、長い期間収穫が楽しめるようにしている。特にこれらの作物は3度に渡り種を蒔いている。キュウリはぼちぼち実が生長し採れ始めたしインゲン豆も花盛りで蔓を大きく茂らせている。10日ほど前に二回目の種蒔きをしようとキュウリとインゲン豆の種を蒔いたのだがどうも様子が変だった。蒔いた所にすり鉢状の半径10㎝くらいの可愛い窪みが出来ていた。近寄って観察してみるとインゲン豆の種が地表飛び出していたり、そろそろ発芽しなければならないはずのキュウリの芽が出てきていない。まさかとは思うがどうもスズメの仕業のような気がする。以前、この畑にはあまりスズメは来ていなかったが最近よく目にする。鳥類だけの話ではないが、昆虫類もよくよく観察してみると年によってある種のものが大量に発生することがあるようだ。目には見えないが作物の病気に関係する細菌やウィルスなども自然界では量的な増減をある種のバランスを取りながら繰り返しているのだと思う。気候や天敵そして人為的な要因が加わり時には野菜生産者を悩ませているのだと思う。今年はとにかくスズメが多いのである。見ていると仕草が実に可愛いのだが私が見ていないところでいたずらをしてくれている。仕方がないので種を買ってきて再度蒔くことにした。今回は直まきには変わりないが不織布でしっかりと覆って発芽に備えた。園芸店の店頭からは昨今ブームの省エネ対策のゴーヤなどは並べられているが、夏野菜の苗はすっかり姿を消している。この地這胡瓜は棚を作らなくても栽培でき、しかも秋キュウリとしても楽しめるので、二度目以降には毎年これを栽培している。キュウリは採れすぎて食べきれなくなったり、毎日収穫しなければすぐにヘビー級に肥大してしまうのでシーズンになると以外と管理が億劫になるのだが、わざわざ八百屋さんで買う気にはなれない。

2012年6月8日金曜日

Libertango

今から15年ほど前、名古屋に転勤になった友人を訪ねた。彼とはギター部で一緒させていただたいた仲である。自称レコードのコレクターでかなりの数のものを集めたと言っていた。酒を飲みながらお気に入りのコレクションを聴かせていただき、今となってはアナログからデジタルへの変換は目新しくもないが、単身赴任の殺風景な部屋の中で何枚かのCDを焼いてもらった。その中にはピアソラのものは無かったが彼はその当時ブラジルを始め南米の音楽にとても注目していた。最近北欧の車のCMにリベルタンゴが使われているのに気がついた。この曲、今までに何回か使われてきたがYO YO MA の演奏も聴きたくなったので購入することにした。YOU TUBE で手軽に聴けるのだがもっと上質な音で聴いてみたかった。MA氏のことはコンクールを総なめにしていた若い頃から演奏は注目していたのだが残念ながらLibertangoは持っていなくて是非手に入れたいと思っていた。
  アストル・ピアソラ(Astor Piazzolla/1921-1992)は、アルゼンチンの作曲家、バンドネオン演奏家なのだが、タンゴを元にクラシック、ジャズの要素を融合させた独自の演奏形態を産み出したと言われている。ピアソラは、バロックやフーガといったクラシックの構造や、ニューヨークジャズのエッセンスを取り入れることで、強いビートと重厚な音楽を自由に展開させていて、私にとってこの曲は都会的な雰囲気を醸しながらも疾風のごとく焦燥感に駆られ走り続けるある種青年期の悲壮感さえ感じるのである。表題のリベルタンゴだけでなく組曲という形で入っている。南米の作曲家の作品には優れたものが数多くあるがクラシックの現代史の中で埋没されてしまっているものも少なくないように思う。もっと聴かれて親しまれても良いのではないだろうか。

2012年6月7日木曜日

ジャガイモの収穫

 もしかすると明日にも梅雨に入るかも知れない。そうでなくとも来週の初めには間違いなく梅雨だ。生育が遅れ気になっているのがジャガイモである。昨年は梅雨入りが5月22日と早く、雨の中ジャガイモを掘り畑の小屋に収納したが保存性も悪くはなかった。しかし水分をたっぷり含んだジャガイモは保存性以外にも食味が落ちると思っているので、大きさは妥協して掘ることにした。掘ったものを天日で半日ほど乾かすが2列ほど掘ったところで隣の翁にコメントを伺った。翁の畑も今年は霜に打たれ、しかも芽欠きはしたものの何本もその後芽が出てきて小さなものしか入っていないと言うことだった。梅雨に入っても生育を優先させるとのことだっった。私の畑は未だ半分も掘り進んでいなかったが、急遽、今日はここまでにすることにした。あと10日くらいは問題ないだろうと判断した。今日の収穫は画像の通りであるが、去年よりも収量は減ってしまった。小さいものや、傷を付けてしまったものは夕飯に茹でて食べたが味は一級品であった。

 作業の変更で追肥などの世話に取りかかった。トウモロコシは肥料を良く吸収するが、早いものは雄穂が出始めている。アワノメイガに食べられてしまう前に収穫すべく早めに種を蒔いたのだが、これも裏目に出てしまい霜で枯れてしまったものがある。当然、補植したものは同じように育っていない。収穫に時間差が出来て良しと考えるのか、不揃いを嘆くのか分かれるところである。
 昨日は麦トロロのことについて書いたが、私の畑の山芋も若い蔓が元気良く出てきている。一カ所で10本も出ているものもあるが、これは多すぎる。蔓の数を制限し芋を大きく太らせて採るのも良いと思うが、適正な大きさの芋を作らねばと思っている。時には3㎏くらいのものが採れることもあるが、これは食べづらい。300㌘~500㌘くらいが食べやすいだろう。もう少し様子を見てから考えることにする。それと、今まで元肥主体で追肥は全く施していなかったが今年は一部実験的に試してみようと思う。




2012年6月6日水曜日

R42号まで

 今日は国道42号線あたりまで車を走らせた。南伊勢町を通り伊勢市の南を走り玉城町、多気町までの往復だった。昨日採った野菜を届け昼食を食べた。私、外食はあまり好きではないのだが麦トロを中心としたものを頂いた。膳には他にトロロ豆腐、山かけ、小鉢、赤出汁、漬け物がついていた。人気店らしくかなり賑わっていた。箸も風情のあるものが使われていたので、このままゴミにされてしまうのも勿体ないので頂いて帰ってきた。

 トロロはだし汁で伸ばしてあるのである程度は流動性があるものだが、自分が普段食べているものは芋(つくね芋)を摺り下ろしそれほど多くのだし汁は入れないで食べている。摺り下ろしたばかりの芋は箸で掴むと全体が箸に絡みついて持ち上がってくるほど粘りが強い。だし汁を加えずそのまま卵と生醤油をかけて、かき込むことだってある。芋の甘みと粘りをダイレクトに味わっているが、上品な食べ方もありだと思った。素直に美味しくお昼を頂くといいのだが、どうしても自分が類似の作物を作っていると比べてしまう。メニューの脇に伊勢芋の栽培風景が添えられていたが、一瞬凝視してしまった。



 

2012年6月5日火曜日

イチジクの挿し木

台風3号が南岸に迫ってきている。この台風が通り過ぎれば恐らくこの地も梅雨に入るのではないかと思う。梅雨と言えば昨年からイチジクの挿し木に挑戦しようと思っていた。私の菜園は南側と北側に分けて中央に通路を設けてある。北側が少し高いため豪雨が襲来するとどうしても土が流れてしまう。少しずつではあるが年間にすると結構な量になる。境目にブロックを置いたり収穫後の芋の蔓やトウモロコシの葉などで流土を止めてあるが、日陰をあまり作らない背丈の低い果樹を植えてしまおうと考えている。野菜も良いのだが畑仕事の楽しみの一つに何種類かの果樹を植えている。イチジクの苗木を一本だけだが数年前に購入し、昨年はまぐれかも知れないが立派な美味しい実が収穫できた。せっかくなのでイチジクのことをいろいろと調べてみると梅雨の頃に挿し木で増やせる事がわかってきた。例によって行きつけのホームセンターで赤玉土を買ってきて大きめの鉢に苗床を作った。
今日の目的はプレゼント用に人参、春大根、レタス、馬鈴薯、牛蒡を収穫することであったが、収穫後枝を数本持ち帰った。枝を整理し5本穂を作った。水分の蒸散を防ぐため葉の数を減らし、大きな葉は半分程度に切りつめ植物活力剤を注入し半日陰の所で管理することにした。後は毎日の撒水を忘れなければ発根する予定だが、ここからのイチジクの挿し木は私にとって未体験ゾーンとなる。
野菜を収穫しながら気がついたことなのだが、毎年この時期には馬鈴薯の収穫を済ませている。梅雨に入る前に採らないと水分を含んでしまい保存がきかなくなるからだ。ところが今年は未だ全てを収穫していない。栽培方法は昨年と同じなのだが実が大きく育っていないのだ。春先に霜の影響で葉の生育が遅れていたがその影響ではないかと思う。花は咲ききったがまだまだ葉が青々としているので収穫を躊躇している。ただ、毎年菜園からのお裾分けを待っている人もいるので少しずつ試し掘りも兼ね、収穫している。御近所で野菜栽培を楽しんでおられる方も先日「今年は小さいねえ」とつぶやきながら収穫を済まされていた。
 私、実は数人の知人に馬鈴薯のことについて大風呂敷を広げてしまっているのです。(汗!)

2012年6月4日月曜日

音楽鑑賞会無事終了

市内N小学校での音楽鑑賞会・ギター体験教室が無事に終わった。朝、8:30分前に会場に到着したら早速校長先生始め職員の皆さんが出迎えてくれた。楽器3台、足台、譜面台を会場に運び込みいすの調整、PAの音量会わせ、持ち込んだ楽器のチューニングを済ませた。丁度校舎の改築工事中であったが会場の照明や工事現場の音についてはN小学校の教頭先生にいろいろとご配慮を頂いた。 チャイムを広垣氏はギターのハーモニクスを巧みに駆使されいよいよギター体験教室の幕開けとなった。私、かねてより1時間で子どもたちにギターを教えるのは難しいと思っていたが、短時間で座り方、楽器の持ち方、音の出し方を説明し後は小林、広垣そして私の3人でグループに分かれ指導させていただいた。極めて短い時間であったが、とにかくギターをさわり音を出せるところまで行ったら及第だと思い子どもたちと汗をかいた。ギターに触るのは初めての子どももいたと思うがとても素直で一生懸命取り組もうとする姿に打たれるものがあった。子どもたちがチャレンジした音は「チョウチョウ」の伴奏部分でベースのドとソを弾くと言うことだった。メロディは私たちが担当させていただいた。上手い下手は別問題で、この与えられた時間を子どもたちと一緒に真剣に取り組めたことに大変意義があったように思う。耳だけではなく目でも私たちの言葉や音を聞き取ろうとする子どもたちの姿勢はすがすがしかった。体験教室も終わり今度は第二幕に移る。N小学校全校児童とF,A小学校の児童を対象とした音楽鑑賞会である。担任の先生が誘導してきたときは子どものことなのでざわざわしていたが演奏が始まるとギターの小さな音を聞き逃すまいと耳を澄ませて聞いてくれた。子どもたちの知っている「赤とんぼ」「きらきら星」等はぎたーの音色の違いやアレンジの違いを聴き取ってもらえたと思う。広垣氏の演奏による「グランホタ」ではギターという楽器の演奏法の多様性を楽しんでいただいたが、タンボーラの部分では思わず身を乗り出して聞いてくれた子どもたちもいた。小林さんは父君から譲り受けた「さくらの主題による変奏曲」や「大きな古時計」を弾いてくださったが、以前「志摩ギターを楽しむ会」で披露されたものとは違って聞こえた。後者はテンポをゆったり気味に取られ楽譜のディテールまで良く聴き取れるように丹念に演奏され、この曲のニュアンスまで伝えきっていた。前者については季節が少しずれてしまっているが琴という楽器を意識された音色を出され、トレモロを始め流れるような演奏を聴かせてくれた。子どもたちだけでなく側で聞かせていただいた私も大満足だった。職員の皆様にも大変お世話になり心地よいひとときを過ごさせていただいた。会場を辞し駐車場へ向かったがそこでは、またしばし余韻に浸りながら反省会となった。私、いつも思うのだが今日のプログラムにかかわらず小林さんはいつも聴くものを驚かせてくれる曲を用意してくださっているし、広垣氏は常に複数のコンサートに対応できるレパートリーを有されている。私もかつては人様の前で演奏すべくプログラムを組んでみたことがあったが、1時間が関の山であったことを思い出す。改めてご両人に敬意を表したい。

2012年6月3日日曜日

明日に向けて

明日は市内N小学校で開催される音楽鑑賞会とギター体験教室に参加する。今日は自室で広垣氏から送られてきた当日のシナリオの構成をしていた。自分の気になっていたところを先日3人で検討した結果だが、読み返すごとに変更が加わっていく。今日も自分の台詞の部分には何カ所かの修正を施した。子どもたちの反応や言葉に対して速攻で切り返したり、場合によっては何種類かの次の手を用意しておかねばならないと思った。これからシナリオをプリントアウトし再度読み返しそれからギターの練習に取りかかる。
 体験学習的な部分については全くの未経験者しかも児童に対して座り方や楽器の持ち方、足代の使い方、右手の位置、左手の場所等を限られた時間で効率よく伝えなければならない。実際に子どもたちが出す音は二種類程度なので難しくはないと思うが指導する者は指が滑らかに動かせるように関節を柔らかくしておかねばならない。爪は良く磨き手入れ済みだがまだまだこれから準備することが多い。楽器も明日は3台持っていくが予め調弦をしたり弦をチェックしなければならないし、それぞれ楽器のコンディションも調べなければならない。それと、肝心なのは身だしなみを整えることだ。

芋苗とreuse

 甘藷の畝作りがとても労力を要したのでそのことばかりが昨日の関心事だった。肝心の苗床は全く昨日は見ていなかった。せっかく9列も畝を立てても苗の供給が滞ったのでは梅雨の降雨を期して植え付けようと思っても皮算用になってしまう。芋苗は道沿いの一角に植えてあり同じ並びに栽培しているアスパラガスも収穫期が終わっているので、他の作業が忙しいときは敢えて見に行かない。それほど生命力の旺盛な植物だと思っている。今日だって一本一本の苗の育ち具合まで入念に見たわけではなく平常の育ちを確認しただけである。梅雨には植え付けが可能だと言うことがわかった。秋が深まると無性に甘藷を食べたくなることがあるが少し食べると私の場合満足してしまう。目下のところ喜んでくれる人様向けに栽培している。

 天気予報では今日は雨と言うことだったが湿度は高かったものの曇の一日だった。この前の降雨で気になっていたのだが、ナス・ピーマン・スイカ・ウリに跳ね上がっていた泥のことである。藁は一応敷いてあるのだが、激しく降った場合はやはり泥がかかってしまいそうな気がした。小屋の奥からストックしてあった藁を全て出してきて敷いた。その藁の下に畳表が束にしてしまい込んであった。これは畳屋さんの前を通りかかったとき「只でお持ち帰り下さい。」と表示されていたのでもらってきたものだ。い草だからこれはマルチに使えると思ったからだ。但し、最近の畳表は縦糸に化学繊維が使われていて分解され土には戻ってくれない。作物収穫後はこの糸の部分を回収しなければ次の準備に耕耘機を入れるとローターに絡みついてしまう。しかし使える物はせっかくだからreuseさせていただくことにした。私の母が野菜を作っていた頃はそれほどお金をかけずに収穫していたように思うが、自分の野菜作りは以外とお金も使っているように思う。今日も畑に来る前に化成肥料・長靴・噴霧器を衝動買いしてしまった。だがなるべく自然からいただける物は利用させていただき、使わせていただいたものはまた自然にお返ししたいとは思っている。画像はスイカの子蔓を4~5本にし誘引しさらに畳表の方向に蔓を伸ばそうとしているところ。

2012年6月1日金曜日

畝を立て、マルチを張る。

毎年一定量の甘藷を栽培し続けている。近年、様々な美味しい品種が園芸店に出ているが味がいいと記されていても表示通りの物が収穫できるとは限らないと思っている。知り合いはベニアズマが自分の畑に一番合っていると言い私に同意を求めてきたことがあったが、前年この品種を栽培したがバカでかく生長し粉っぽく甘みも乗らなかった。つまり関東系のこの品種は私の畑には合っていなかったようなのだ。当時近所の方のアドバイスで同じ関東系の紅小町をメインに栽培していた。最近は関西系の鳴戸金時を主に栽培している。園芸店で売っている苗も結構値高く近年は買っていない。時期的に早く店頭に並ぶのでゴールデンウイーク前には芋植が出来るのだが、降雨が必ずしも期待できないので灌水のことを気にかけなくてはならない弱点がある。自然のサイクルに合わせ、梅雨に甘藷を植えた方が理にかなっていると思う。昨年、晩秋に収穫した芋を発泡スチロールの箱に籾殻と一緒に保存し、3月にビニルを覆い種芋を植えたが、そろそろ苗ができはじめてきた。鳴戸金時と干し芋用の隼人芋の二種類の苗を栽培している。梅雨からの天然の水が期待できることと苗を取ってから間髪を入れずに植え付けられ活着が確実であるという利点がある。甘藷は畝に差し込めば良いとよく言われているが園芸店で何日も売り場におかれた苗について私は灌水の必要性を記しておきたい。50本、100本単位で売られているが時には活着率が疑問に感じられることがある。
 未だ芋植はしないが、その前に畝作りを済ませておかねばならない。今年はJAの商品券を頂いたので春先にカリの肥料を物色していたところ甘藷専用の肥料を紹介してもらった。これまで有機肥料を鋤き込んだりしていたがコガネムシの幼虫などが発生し、食害に会ってしまい失敗したことがあった。今はカリ肥料を主体とし畝全体を黒マルチでカバーする方法を取っている。地温が上がることと何よりも除草の手間が省ける。とはいうものの畝作りとマルチ張りは時間と体力がいる。畑を耕し肥料を散布し耕耘機で畝を立てるのだが、私は最後の仕上げはやはり鍬で行っている。機械だけで立ててもも良いのだがこだわりというかせっかくの畝なので美的な物の方が良いかなと思っている。今回、雨水が畝と畝の間に溜まらないように比較的短い畝を9列作った。ついでに黒豆の畝も立てておいた。これはよく似た管理方法で出来るので、早い話同じ物を作っただけだ。黒豆はこの地では伊雑宮の祭礼「御田」(6/24)頃に種を蒔くと良いと言われているので、毎年従っている。全部で12列の畝を立てた訳だが作業が終わる頃には流石にへとへとになっていた。

 これ以外にも鬱蒼と茂り畑に覆い被さってきている木を剪定したり、キュウリやインゲン豆が連続して収穫できるように第二段の種蒔きをしたりしていたから疲れを感じてしまったのだろう。