三枚におろし皮を剥ぎ中骨を取り去ると元の大きさから比べると可食部はかなり小さくなる。鱚の刺身を想起し、紐作りにしたが新鮮な鱚のようなミルクの風味ではなくもっと見かけからは想像できないような濃厚な旨味があった。普段よく食べる大衆魚と比べるとヌルヌルしていて包丁も気合いを込めて使わないと魚が刃先から逃げてしまう。淡泊そうな魚であるが旨味が強いので骨やアラから出汁をとり吸い物にし、昨日収穫した三つ葉を吸い口にした。今日は頂き物だが魚屋の店頭を眺め市場にはあまり出回らない希少な魚を買い求めるのも志摩の暮らしの楽しみ方である。磯魚にしても深場の根魚にしても数量がまとまらないため雑魚並みの扱いをされているものの中に味覚の中枢が身もだえしてしまうくらいの美味に出会うことがある。
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