2012年7月18日水曜日

ホウボウを食す

 ホウボウを頂いたので早速刺身にした。志摩でも時々魚屋さんで見かけるが数量が揃わないせいか雑魚として扱われることもあるようだ。本来高級魚の範疇に入る魚だと思うが以外と安価に手にはいることがある。白身で甘みがあり刺身、煮付け、唐揚げといろいろな調理法で楽しめる。海底深くに生息しているため船釣りで潮の流れが止まり仕掛けが海底近くに垂れてしまったとき釣り上げたことはあるが、この魚をターゲットに釣ったことはない。

 三枚におろし皮を剥ぎ中骨を取り去ると元の大きさから比べると可食部はかなり小さくなる。鱚の刺身を想起し、紐作りにしたが新鮮な鱚のようなミルクの風味ではなくもっと見かけからは想像できないような濃厚な旨味があった。普段よく食べる大衆魚と比べるとヌルヌルしていて包丁も気合いを込めて使わないと魚が刃先から逃げてしまう。淡泊そうな魚であるが旨味が強いので骨やアラから出汁をとり吸い物にし、昨日収穫した三つ葉を吸い口にした。今日は頂き物だが魚屋の店頭を眺め市場にはあまり出回らない希少な魚を買い求めるのも志摩の暮らしの楽しみ方である。磯魚にしても深場の根魚にしても数量がまとまらないため雑魚並みの扱いをされているものの中に味覚の中枢が身もだえしてしまうくらいの美味に出会うことがある。

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