志摩では漁師さんはもちろんだが個人で鰹漁を楽しんでいる人がいる。プレジャーボートや5㌧程度の船でトローリングする漁法だ。潜行板や長い竿を船の両側に出しそこに擬似針を付けた仕掛けを付け、遠くに見える鳥山(海鳥の群れの下には鰹の餌となる小魚がいる)めがけて船を進めると、鰹が擬似に食らいついてくる。職漁船が鰯を蒔き一本一本釣り上げる漁法とは違う。釣り上げたものはすぐに氷で絞めるから鮮度は抜群である。この漁法で釣り上げたものをケンケン鰹と呼んでいる。
ケンケン鰹 |
先ず、青魚特有の癖がない。実はよくしまっていて包丁で引くと堅ささえ感じるほどである。口に入れると先ず歯でその堅さを感じる。舌に乗せると何というかモッチリ感が伝わり旨味が口いっぱいに広がる。
少し面倒だが、できれば一本丸ごと手に入れ自分でさばきたいものだ。三枚に下ろし皮を引いたらすぐに刺身包丁を取り出し大皿に盛りつけたい。一つ一つの工程を経る毎に鮮度も味も落ちていくように思う。
私は、これ以上の美味い鰹は知らない。薬味の生姜やニンニクはもちろん自給である。大葉やミョウガはもうすぐ採れ始める。口いっぱい頬張ると志摩で生きている喜びをしみじみと感じる。
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