ギターを弾き始めたときは楽器が自分の体や指に馴染まず、また出てくる音も不揃いで文字通り騒音という言葉のとおりの悲惨な状態だった。左手の指も開かず押弦が不安定な上、指頭は真っ赤に腫れ血豆が出来た。右指は違う弦を弾いてしまったり逆に空振りをしてしまったり、唐突に意に反した大きな音や雑音の混じった非音楽的な音を出していた。半年も経った頃から少しずつ楽器が体に馴染み始めアルペジョもスムーズにこなし教則本にある練習曲も弾けるようになった。タレガの「ラグリマ」や「禁じられた遊び」が通して何とか最後まで弾けるようになった。やがて一年を経過した頃、当初の目標だった「アルハンブラの思い出」がたどたどしくトレモロも指のコントロールは不十分ななりに弾けるようになった。この頃になると面白いように初級から中級の難易度の曲に挑戦できるようになってきた。もちろんその頃の演奏は音楽性など考える余裕はなかったが、自分の楽器から音が出てくることが楽しくてしようがなかった。
今日は菜園に最近植え付けた苗や種に灌水すべく例のように300㍑の水タンクを車に積み込み畑に向かった。快晴で湿度も低く気温も上昇し5月にふさわしいお天気だった。
水をかけながら一人で野菜達と対話をしていたとき、ふと自分がギターを始め、それが面白くなってきた頃を思い出した。
野菜達も陽気の変化に伴い、またたくまに成長することがある。それは、温度の上昇であったり、降雨であったり、日照時間の変化であったりする。月が変わったあたりから野菜達にも急に育ちの度合いに弾みがついてきた。
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南側の畑 |
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北側の畑 |
南側の畑では馬鈴薯を筆頭に玉葱、空豆、トウモロコシ等、元気がいい。北側では豌豆があっという間に私の身長くらいに伸びた。毎日見ていてもその変化に驚くほどだ。先月の今頃は地面も見えていたが、すっかり緑に覆われてしまっている。物事が何かのきっかけを境に急に様相が変わることが、自分のギターだけでなく野菜達の成長にも当てはまると思った次第。
夕飯用に莢豌豆、玉葱、ホウレン草、イチゴを採って帰ってきた。
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