ギタリスト広垣氏から依頼されていたLPをCDに移し替える作業が先日完成した。二十数枚あったので応分の時間がかかったが、内容そのものが自分の好きな曲ばかりだったので氏のコレクションをじっくりと鑑賞することが出来た。古いものばかりなので再生が出来るかどうか不安もあったが思っていた以上に保存状態は良かった。私の信奉している秘密兵器で埃や油脂分そしてカビの類をすっかりクレンジングしてPC上でアナログ信号をデジタル化しCDに焼き付けた。そのままでは芸がないのでレコードのジャケットを取り込み曲名とともにCDにプリントした。また、同時に取り込んだ画像は印刷紙てケースに入れ込んだ。一連の作業を平均すると少なくとも一枚のCD作成に2時間は費やしたと思うが個人にとっては貴重な若き日の記録なのでベストを尽くした。ただ心残りなのはイエペスが演奏しているギター協奏曲集に収録されていたBACHのシャコンヌとドンボアの演奏するバッハのリュート組曲第4番が音飛び(物理的な傷によるもの)のため割愛しなければならなかったことだ。シャコンヌは別のソースから挿入も可能だが、それが無くともギター協奏曲集だと割り切れば何の不具合もないと思う。ドンボアのものは組曲の中のブーレが再生不可能であった。一応ブーレを除きCDに焼き付けたが全体の流れとしては物足りなさは否めない。これらの曲は「志摩ギターの会」でも演奏していただいたが、氏はおそらく人前で演奏するまでには何度も何度もレコードに針を落とされていたのだろう。
今、音楽はとても安価に買うことが出来るが広垣氏の青春時代には収入に対するレコードの価格は決して安いものではなかった。沢山あった欲しいものから厳選を重ね、どうしても手に入れたかったものばかりではないかと作業をしながら思った次第。私も今のようにネットから簡単に入手できなかった頃、遠くまで出かけ大切に抱きかかえ持ち帰った経験がある。懐具合の関係で買うことが出来なかったものについては友の部屋を訪ね聴かせてもらったこともあった。音楽がとても貴重で有り難かった時代があったと思う。
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作成したCD |
「志摩ギターの会」では年に二回という少ない回数ではあるが、4人の演奏者を招聘し、ライブの音楽を楽しんでいる。ある意味とても贅沢なパフォーマンスなのかも知れない。
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