2012年12月28日金曜日

ホウレン草のスープ

 濃い緑のホウレン草が寒さの影響で地面に伏すようにして身を縮めている。ハウス栽培の物とは違って見てくれは良くないが甘みを強く感じる。取れたての物を湯がいてフードプロセッサーにかけてピューレにする。鍋にバターと小麦粉を入れホワイトソースを作りブイヨンとミルクで濃度を確かめる。塩とコショーで味を調えホウレン草のピューレを加え仕上げに生クリームと粉チーズを添える。寒い季節、これだけでも温まるご馳走である。
 野菜を作り始めた頃は、土も肥えていなく良質のホウレン草はなかなか栽培することが出来なかったが、今は種蒔きの時期と発芽さえ丁寧に管理すれば相応の結果が出せるようになった。春にも栽培しているが、柔らかく甘い物はこの時期に採れるものには及ばない。一時、この野菜にはシュウ酸が含まれており、沢山摂取すると結石が出来ると言われていたので消極的になっていたが、茹でこぼしたりカルシウムを含む他の食材と組み合わせたら問題がないので、それほど気にせず食べている。
ホウレン草のスープを作った。母の味である。
 このホウレン草のスープは子どもの頃、母がよく作って食べさせてくれた。鉄分が入っているから体にいいと言いながら作ってくれた物だ。今、私が作るものより遙かにシンプルな物だったが、濃い緑は食欲をそそるし、寒い季節に湯気の立つスープは心までも温めてくれた。

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