ここ数日畑に行っていなかったが、久しぶりに足を踏み入れると仕事が山ほど待っていた。ほうれん草、ゴボウ、小松菜、葉大根が間引きを訴えかけていた。自家栽培で育てたタマネギの苗もそろそろ定植を促している。畝に牛糞堆肥を鋤き込み二列の圃場を仕上げた。その内の一列にはチンゲンサイ、小松菜、小カブ、葉大根の本年度最終の種蒔きをした。作業途中いつも畑の前の道を通られる篤農家N氏が豌豆の蔓がよく育つように竹の枝をあげると申し出てくれたが海苔網に蔓を絡ませているのでお礼だけ述べた。
ここまでが午前中の行動だったが久しぶりに畑で弁当を食べることにした。シャケと卵焼きと漬け物のシンプルな食事であるが、体を動かした後の空腹には何よりのご馳走である。あまりにも美味いので喉を詰まらせながら一気に空っぽの胃袋に収めた。小屋の前にブルーシートを敷きしばしゴロッと背中を伸す。気温が下がってきたせいか休憩を邪魔する昆虫たちはもうやってこない。少し風はあったものの空を見上げながら至福の時間を楽しんだ。
このまま家に帰っても良かったのだが、芋畑をみるともうそろそろ掘っても良いように見えたので二列だけ収穫することにした。例年文化の日前後に芋掘りをしているが、今年は植え付けが遅かったので収穫の時期を延ばしている。干し芋用(志摩ではキンコ、私の町ではニッキンチョと呼んでいる。)と焼き芋用のものをそれぞれコンテナに山盛り一杯収穫した。この作業は以外と腰に応える。蔓を刈って、それを処分し黒マルチを剥がしスコップで掘り、しばらく乾燥させてからコンテナに入れ車まで運ぶのだが徐々に背筋や腕の筋肉が鈍ってくる。
きりがないので今日は二列だけにして帰ることにした。日が暮れるのが早くなり夕方には汗が気化し体温が奪われるような季節になった。芋掘りは日を改め、残りを収穫することにした。N氏の話では霜が降り葉が枯れる頃までに掘ればいいと言うことだった。
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