2012年11月19日月曜日

ふと思い立って

列車は変わった
 私がクラシックギターを始めたのは大学のクラブが最初だった。4月に入部してカルカッシの教則本を購入し名古屋の楽器製作所まで先輩に連れられて楽器を買いに行った。マンツーマンで上級生が手を取り足を取り指導してくれたわけだが、最初はなかなかスムーズに指も運べず夏休みまではイ長調の部分まで及第点を取るのがやっとであった。最初の難関が夏合宿であった。ゼミの関係で一日遅れで合流したのだがその合宿地が暑さを避けるため信州の飯田市付近の山中の村であった。かなり昔のことであったのでどこに宿泊したかは忘れてしまったが、とにかく一週間というものは全く自由行動が無しで朝から夜まで食事の時間を除きギターを引き続けた。遅れての合流であったが名古屋まで出て豊橋から飯田線に乗り換え各駅停車で飯田の方へ向かったのを覚えている。たまたま私の指導に当たってくださった先輩が新城市の出身ということで沿線の景色を目に焼き付けながらの行程であったが、信州とは言え期待していたほど涼しくはなかった。おまけに毎日の食事が野菜中心の質素なもので食べ盛りの若者にとっては動物性のタンパク質に植え続けた一週間であった。帰路途中のラーメン家で口にしたチャーシューが唯一の肉だった。


景観は殆ど変わらず
 その後いろいろといきさつがありクラシックギターだけを演奏するクラブの方に移籍していったが、お世話になった先輩の郷里である新城を眺めながら飯田線の旅をしたいと思い続けていた。思い立って紅葉の飯田線の旅に出かけてきた。列車や駅舎は当時のものとは違い綺麗になっていたが沿線の景観は当時のままであった。むしろ林業の衰退や過疎化のため住む人のいなくなった民家が散見された。新緑の頃もう一度訪れたいものだ。

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