2012年5月27日日曜日

フレスコバルディ

 ギターで演奏される曲にフレスコバルディの「アリアと変奏」という名曲がある。往年の名手が残したレコードでも何種類か聴くことができる。もちろん楽譜も出ているので入手は容易である。私も以前少しチャレンジしたことがあった。さて我々ギターを嗜むものにとってはフレスコバルディはこの曲を通して馴染みがあるが以外とレコードやCDは少ないのではないだろうか。音楽史では鍵盤楽器の分野において重要な地位にある。フローベルガーやJ.S.Bachに大きな影響を及ぼしている。昨日Frescobaldi complete edition CD15枚組を入手した。付録のCD-ROMにデータが記されているので早速アクセスしてみた。イタリア語で書かれていたらさっぱりわからないと気になったが比較的読みやすい英語で書かれていた。全部で50ページにも及ぶが、解読に日本語の数倍の時間がかかる。(汗!)さて、このセットには代表的な曲は網羅されていると思う。15枚もあるので全部聴くには数日を要するが、とりあえず「アリアと変奏」が入っているCD8 16トラックを聴いた。Harpsichord:Luigi Patellaの演奏で曲名は"Aria detta la Frescobaldaとあった。当たり前のことであるがギターに編曲されたものとはスケール感が違う。この他にToccataやPartitaを数曲聴いてみたが、やがてこれらの曲がBach(フレスコバルディの曲集《フィオリ・ムジカーリ(Fiori musicali)》(1635出版)を通じて、対位法(counterpoint : 複数の旋律を、それぞれの独自性を保ちながら組み合わせる書法)の技巧を学んだとある。) 等に深く影響を及ぼし次の時代へと繋がっていくのかと思った。とても耳障りが良く、構えなくとも楽しめる音楽という印象だ。もっと広くこの時代に聴かれても良い曲だと思う。
私自身CDを聴きながら「彼自身が《トッカータ集第1巻》(1615年出版)の序文のトッカータの演奏法に
「テンポは拍打ちにとらわれず、演奏者の判断にゆだねられる」「演奏者は曲の最後まで弾く必要はなく、適当と思われる好きな場所で終わってよい」 と書かれている部分について、何て自由な音楽なんだろうと思った。

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