6月4日には市内の小学校に招かれ芸術鑑賞会と6年生の児童を対象としたギター体験教室を開催する予定になっている。私と広垣、小林両氏の3名で指導させていただくことになっていて先日も打ち合わせを行った。私個人としては首の手術をしてから人前では殆ど楽器を弾いてきていないし時々自分の楽器のご機嫌を伺ったりチューニング程度の接し方しかしてきていない。「志摩ギターを楽しむ会」の演奏も全て4名のゲストの方々にお任せしてきた。今回は子どもたちを対象としたギター体験教室で指導者の末席を汚させていただくことになった。ギターの楽しさを伝えるソフト面は何とかクリアできるが実際に音を出したり子どもたちに楽器を触らせたりする為には最低限の練習をしてから臨まなければならない。広垣氏の提案で「ちょうちょう」の簡単な楽譜を用意することになった。学生達のギタークラブでは入部一ヶ月程度で課される課題のレベルである。今週から教則本を取りだし基礎練習を始めた。ギターを弾いてみてわかるのだが神経が長く眠りについていたので先ず自分の眠ってしまっている指をたたき起こさねばならない。左指の関節も固くなっていて指頭で正確に押弦できないばかりか左手の角度にも問題がある。右手は時折隣の弦を弾いてしまったり爪の長さも未調整のまま弾弦してしまっている。少し引き込んでi,m,aのバランスをとらなければならない。これから毎日自分の部屋の指定席に毎日決まった時間に座ることを日課としなければならない。今日はアルペジォの練習のみを行った。
当日楽器は2~3台持ち込むことにした。大切にしている小森曠作の楽器はアクシデントが心配なので持ち出すことは出来ない。そこで子どもたちには小型のギターを2台用意することにした。この2台は音量もなく音色もクリアでなく音程もローポジションで合っていてもハイポジションでは甚だ不安定な物だ。子どもたちには失礼だが今回はこれで我慢してもらうことにした。私が弾くために持っていくのはサブ器にした。故小平栄一さんの作品で量産器であるが材質は良くネックの形状も手に良く馴染みこのクラスにしては音量もある。音色は好みが分かれると思うが、印象としては乾いた音色で高音の延びは倍音を含み弾いていて心地よい。若い頃練習用に使っていたM工房の物より遙かに程度がいいように思う。もちろん今回禁帯出の楽器はグレードが違うので音色も重厚で要求通りの音で応えてくれる。良く弾いていた頃は体の一部だと感じたほどである。表面板の素材(松か杉か)の違いもあるが作家の違いや構造の違い等(力木の配置や塗装等こだわればきりがない。)、楽器として世に出るまでの過程で音に個性が加えられてきたと思う。
ギターの会でも4人の演奏者の皆さんはタッチや弾弦による違い、所有する楽器の違いで毎回個性豊かな音色を披露してくれ私たちを楽しませてくれている。演奏会終了後ロビーで演奏者と使用している弦やそれぞれの楽器談義に時を忘れることもある。
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