2012年10月23日火曜日

中央構造線

 昨日のことであるがふと思い立って飯高町の方に出かけてみた。紅葉の季節には未だ早いが私のように海の近くで育った者に取っては四方山に囲まれたこの地の景観は堪らない。櫛田川に沿って国道160号線が走っているが、この道に沿って小さな集落が点在している。この川は中央構造線に沿って流れていて両岸では地層の走り方が全く異なっている。古い過去に大きな地核の変動があったことが伺い知れる。左右の地層には断層やズレが露出しておりそれが見て取れることも珍しいと言える。
 飯高町は古い友の在所でもある。今、友はこの町には住んでいないが若い頃何度か友の家を訪れ泊めてもらったことがある。酒を酌み交わしながら将来の夢を語り合ったりしたものだ。また、ギタークラブにいた頃はこの近くの学校を貸していただき一週間ほどの合宿をさせていただたこともあった。夏休みの子どもたちの登校日にギター演奏を披露してくれたら会場は無償で使って良いという学校のご厚意に二つ返事で甘えさせていただいた。学校から紹介していただいた近所の小母さん達に三度の食事やお風呂のお世話になり練習に励んだ。四十名を越える団体だったので食事の準備も大変だったと思うが、このような難題を快く引き受けていただけたものだと思う。この時の成果は定期演奏会に反映されバッハのマタイ受難曲第47曲等の公演に繋がっていった。あの時まるで親のように私たちのお世話をしてくださったこの地の方々の温かさは今でも忘れられない。

道の駅(飯高)
 帰路、道の駅に立ち寄りこの地の産品をかつての小母さん達に思いを馳せながら買い求めた。

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