2013年1月16日水曜日

ひよどり

 ヒヨドリの食害がピークに差し掛かっている。一度は飛び去ったかと思っていたが、ついにエンドウにまで手を出し始めた。これまでにホウレン草、キャベツ、レタス、水菜は人間が食べられないほど啄まれ諦めざるを得なくなってしまった。防衛策としてブロッコリー、カリフラワー、サニーレタス、白菜には寒冷紗のカバーをした。また、わずかに残った水菜とエンドウには防鳥ネットで侵入を防いでいる。
 この鳥は普段でも野山に生息しているはずだが、今回菜園を荒らし回っているのは恐らくどこかから飛来してきたものだと思う。この集団に襲われると無防備な野菜畑は一日で食い荒らされてしまう。他の野生動物と違うところはとにかくどん欲なことだ。私の姿を見つけると一斉に飛び立ってしまうのだが、しばらく姿を見せないとどこからかやってくる。そして防鳥ネットをしてあるにもかかわらず、その垣間からも野菜を突っついてしまう。
 先日、網の中にまで侵入しホウレン草とレタスを食べていたところに運悪く私が顔を出した。30羽以上のヒヨドリはあわてふためき一斉に飛び立ったのだが、一羽が運悪く網に引っかかってしまった。その日は大根と白菜を収穫することになっていたのだが、懲らしめる意味でも予定の作業を優先しヒヨドリはしばらく放置して置いた。
網を外し逃がしてあげた
 野菜を車に運びながら時々観察してみると、私の姿が近づくととても怯えてヒーヨ、ヒーヨと泣き叫ぶ。この程度ではまだまだ勘弁ならない。一時は毛をむしり、焼き鳥にしてやろうとさえ思ったくらい憎く思ったほどだ。もしも私が野菜作りで生計を立てていたら死活に関わる甚大な被害を及ぼした害鳥なのだ。昔、スズメやヒヨドリを捕まえて食べたという話を思い出したほどだ。
 野菜の収穫も済ませ、網にかかったヒヨドリをもう少し観察してみたくなって、泣いている鳥の近くに行き見てみると特に怪我もなく足は長旅で随分汚れているように見えた。網にかかってから相当暴れたのだろうか、自力では脱出不可能なほど絡まっていた。これとて小さな命だと思い絡まった網を鋏で切り放すことにしたが時間がかかった。鳥の体を左手で掴んで外したのだが、ここまで人間に自由を奪われてしまうと、それまで泣いていてものがすっかり観念しおとなしくなった。やっとの事で網を取り去り、まだ羽に絡みついていないか確認した後空に向け放ったが、森の木の枝を目指し飛び去っていった。しばらく枝に止まりながら私の方を見ていたように思ったが、いつの間にか姿を消していた。もう、彼らが食べられる野菜は無いのでこれからは鳥害の心配は無いのだが、来年の秋・冬野菜の栽培については反省することが多々あった。

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