2012年4月2日月曜日

友あり遠方より・・・

 夕方友人のB君から今から行くから家にいて欲しいという℡があった。何だろうと思ってコーヒーを用意し待っていたら、この前の野菜のお礼だと言って南張特産のマスクメロンを戴いた。今では全国各地でメロンが栽培されるようになりそれぞれ特色のある物が店頭に並ぶようになった。志摩市浜島町南張のメロン栽培の歴史は古く昭和30年代に遡る。糖度が高く、香りも抜群で高級果物としてホテルやデパートで販売されブランドとして確立していった。もちろん我々庶民が口にすることはなかった。しばらくして露地栽培ができるプリンスメロンや、品種改良による様々な種類のメロンが我々も手を出せるような価格で店頭に並ぶようになった。南張もその後しばらく隆盛を極めるが、競争力やコスト高(暖房の燃費)そして何よりも後継者不足で、今メロンを栽培している農家は一戸だけになってしまった。

 我が家でも亡父が趣味として10坪ほどのガラス温室を家の裏に建てマスクメロンを栽培していた。種、肥料(私の町の農協では手に入らなかった物もあった。)、農薬、栽培技術等全てを南張のNさんにお世話になっていた。当時は田圃の土を細かく篩ってハウスの中に肥料分たっぷりの畝を作っていた。なかなか均質なものは出来なかったように記憶しているが、その味と香りは南張のメロンに負けないほどのものが取れた。冬は良いが夏場の温室の中はサウナ状態でその管理は全てが重労働と言っても過言ではなかった。後継者不足というのも投ずる資本や労働に対して利潤が低く、ましてきつい仕事となると納得がいく。私は今、自給自足を標榜しながら年間数十種類の野菜や果物を栽培しているが、昔親父が栽培していたマスクメロン作りには手が出せない。

 普及したとは言えブランド品である南張メロンは高価な物であり、味、香り、食味は流石に果物の王様と言っても過言ではない。

 余った野菜をもらってもらっただけなのに、南張メロンを頂いてしまい恐縮している。B君ありがとう。




 

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