良く切れそうな農具 |
このツールは隣町の八十歳くらいの匠が丹誠込めて少量生産されているものだ。年齢のこともあり今では体の状態と相談しながら少しだけ細々と制作されている。そんな話をきくと俄然手に入れたくなってくる。早速野良仕事の後で車を隣町まで走らせた。住所は適当に教えてもらったので工房の近所を何度もうろうろした。普通の民家の駐車場にシャッターが開けられその中で匠は溶接作業の最中だった。道具が欲しいと伝えたが案の定在庫はなかった。作る先から飛ぶように売れてしまうらしい。それでも何とか話し込んでいるうちに一台だけ少し大振りなものがあると言うことなのでそれを頂くことにした。この種のものともう一つ草削りを作られているらしい。草削りも欲しいといったがこれは全く無理だとことわられた。
昔は田舎町には野鍛冶がどこでもあった。今ではそれ自体が珍しくマスコミでもしばしばその存在が取り上げられている。もちろん私の町でもかつては鍛冶屋さんがあった。
今回手に入れた道具も対面でいろいろと良い鋼を使っていることなど聞きながら購入したので使い勝手は良いはずだ。鍬にしても農具には地域性があるようだ。粘土質の畑や砂質の畑また火山灰土の積もった畑では自ずから刃の角度や柄の長さが違うことになる。匠も自身農業を営んでいるので制作される農具にはこの辺の土壌や地域性が盛り込まれている。安価な大量に作られた農具を主に使っているが100㌫満足することは少ない。多少割高であっても作った人の魂が感じられる道具を使ってみたい。今度は草削りをなんとかして手に入れたいものだ。
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