少し遅めの開催だったが「志摩ギターを楽しむ会」第15回例会が無事に終了した。五月末日ではあったが真夏日となり会場は夕方とは言え少し動くだけで汗ばむほどだった。
今回は地元の演奏家小林さんが活動に休止符を打たれた。いつも斬新な曲を用意してくれ聴くものを楽しませてくれていた。タレガのラグリマを最初に披露してくれた。ラグリマ(涙)という意味をいろいろと解釈できた演奏だった。最後なので花束の一つも用意すべきだったのだが主宰者の私とても野暮ったい人間なのでそのことをすっかり忘れてしまっていた。吉川さんとも回を重ねるにしたがいいろんな話も伺っているが、氏は大学に入ってからギターを始められたらしい。いつも私たちが弾いてこなかった曲を披露してくれているがギターに対する厚い情熱を持たれた方だ。
広垣さんは今回バッハの曲を沢山弾かれた。無伴奏バイオリンパルティータ第一番からサラバンドとドウブル、リュート組曲第4番から前奏曲、リュート組曲第3番からガボット、そして無伴奏バイオリンパルティータ第2番からシャコンヌと続けて一気に演奏された。指を始め体の疲れや緊張感の連続という過酷な状況下での演奏は流石は広垣さんという印象だった。
久しぶりに来ていただいたDr.井本氏は愛用の11弦ギターでWeissのPassacagliaを聴かせてくれた。多弦ギターの低音源が良く響きリュートの音楽を彷彿とさせてくださった。昨年体調を崩されほぼ一年半ぶりの拝顔となったが相変わらず参会者を引きつけるトークは冴えていた。
|
お久しぶりですDr. |
広垣氏も11弦ギターでJ,ダウランドの曲を演奏してくれている。ハイパー大尉のガリアルド、ターレントの復活、ウォルシンガム参拝そしてエセックス伯のガリアルドであった。
締めくくりは吉川&広垣両氏によるデュオで私たちの耳になじみ深い曲を選んでくれた。二人は伊勢を中心に時々二重奏をされているが編曲も両者でああでもないこうでもないと話しながらアレンジされたと伺った。
|
息のあったデュオ |
二重奏って本当は演奏する方がずうっと楽しいのですよね。
冒頭、地元のギタリストの方のことについて記したが演奏会終了後新たに弾いてくださる方が一名現れた。会員の確保と演奏者の確保は会が存続していく上でも大きな課題だが今年度は春からすべりだしが良いような気がする。