2015年2月8日日曜日

日展を鑑賞

日展東海展の会場
友人の彫刻が日展に入選しているので仲間達と見に行って来た。絵画は見る機会も多く知人にも絵描きがいるので何かと蘊蓄は聞いており耳だけは肥えているのだが彫刻となるとその見方は全くの素人である。それにしてもY君のここ3年連続の入選は偉業であり私たち同級生としては誇りでもある。氏は自身のHPでも志摩の海女・彫刻・民俗学について情報を発信しており民俗については自分の足で逐一こまめに取材され読む物を深く納得させる内容だ。 彫塑のテーマは「志摩の海女」であるがそもそもこれを選んだのは氏の活動や関心事と符合し我々観るものを納得させる物である。
 彫塑の会場には若々しいモデルを使った作品が多いが彼の作品は厳しい海女漁が垣間見られるくらい労働が感じられる現役の年老いた海女が見て取れる。深い海の底で漁をするには美形のモデルでは体力的に役にはたたない。寒さから身を守るような分厚い皮下脂肪が腰の周りにたっぷりと付いた肉体の様に何とも言えないような生活感や存在感を感じる。老いて張りのない垂れ下がった乳房は隣にある若いモデルと比べれば見劣りするかも知れないが海女や畑仕事をしながら何人かの子どもたちに乳を与えてきた人そのものの生き様やたくましく生きてきた女性の美しささえ感じられるのだ。

Y君の作品
われわれ仲間達にとっても彼の入選は励みになる。制作を続けられ来年も再来年も連れだって展覧会に来ることを約して会場を後にした。

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