2015年2月3日火曜日

へぎ餅を頂く

へぎ餅
私の町では古くから大寒の時期に餅をつく習慣がある。雑菌のはびこるのが最も少ないこの時期に保存食としての餅をつくのは理にかなっている。今のようにお店に行けば好きなお菓子が手に入らなかった時代に一年中のおやつや軽食として作ったのはよくわかる。多くはあられにしていたが伸した餅をある程度切りやすくなってから薄く剥いで乾燥させるものもあった。その餅も白い物から色素で赤や緑に着色した物、紫蘇や青のりや醤油で味付けした物といろいろと味のバリエーションを楽しんできた。勿論最近ではこのような手間のかかる風習もめっきり少なくなり農家の人が続けている程度なのだ。へぎ餅にしたり霰に加工して一年間の保存食になる。店に行けば訳のわからないような調味料で味が付けられたアラレのお菓子が売られているが私は素朴な農家の霰が好きだ。餅米本来の甘さや風味が感じられほのかな塩味と餅の味が口中で絶妙に混じり合った味わいは捨てがたい。良く似たものがスーパーでも売られているがどうも余計な物が入っていて志摩の農家さんが作った物とは似て非なるものなのだ。安心安全ということ以上に味覚の上でも勝っている。
このへぎ餅はいつものN氏がわざわざ自宅まで持ってきてくれた物なのだ。一枚一枚味わっていただくことにする。(ペコリ。)

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