2015年2月11日水曜日

干物作り

鰺の干物(これは保存用)
先週の雨上がりのあと三重外湾漁港の移動販売車で数種類の魚を買い求めた。町の魚やさんで買い求めるよりもはるかに安価かつ新鮮である。大衆魚が主流なのだが時々市場にはなかなか流通しないような希少種の魚を買い求めることが出来る。それも魅力で時々買いに行っている。冷凍庫にストックしてあったアジの干物がなくなったので今回は生の小アジを3㎏ほど買った。以前は開いて塩干しや味醂干しにしていたが最近は丸干しが主流だ。気温も低いので内臓が腐敗することもなく塩分が低くても干物にすることが出来る。風の強い晴天が二日も続けば手製の干物が完成する。干す時間や塩分が自分の好みに調整できるのが有り難いばかりかかなりリーズナブルなコストで美味い干物ができる。食べきれないものはお裾分けにしたり冷凍庫にストックすることになる。仕上がりであるが、市販のものとは比較できないような艶というか輝きがある。塩をまぶし魚の目が浸透圧で白くなる頃合いを(一時間強)見計らって余分な塩を洗い流し乾し網に並べるだけだが新鮮な材料でお日様と風の力を借りて作る干物は美味い物である。この鰺について気がかりな報道があった。鰺の漁獲高が急に減ってきているらしい。小鰺を養殖魚の餌にすることや海水温の変化或いは自然のサイクルによる等いろんな説があるようだが鰯、鰺、鯖、サンマのようにいつ買っても食べ慣れていて安心感のある魚の資源が減ってくると言うことは気になる。


2015年2月8日日曜日

日展を鑑賞

日展東海展の会場
友人の彫刻が日展に入選しているので仲間達と見に行って来た。絵画は見る機会も多く知人にも絵描きがいるので何かと蘊蓄は聞いており耳だけは肥えているのだが彫刻となるとその見方は全くの素人である。それにしてもY君のここ3年連続の入選は偉業であり私たち同級生としては誇りでもある。氏は自身のHPでも志摩の海女・彫刻・民俗学について情報を発信しており民俗については自分の足で逐一こまめに取材され読む物を深く納得させる内容だ。 彫塑のテーマは「志摩の海女」であるがそもそもこれを選んだのは氏の活動や関心事と符合し我々観るものを納得させる物である。
 彫塑の会場には若々しいモデルを使った作品が多いが彼の作品は厳しい海女漁が垣間見られるくらい労働が感じられる現役の年老いた海女が見て取れる。深い海の底で漁をするには美形のモデルでは体力的に役にはたたない。寒さから身を守るような分厚い皮下脂肪が腰の周りにたっぷりと付いた肉体の様に何とも言えないような生活感や存在感を感じる。老いて張りのない垂れ下がった乳房は隣にある若いモデルと比べれば見劣りするかも知れないが海女や畑仕事をしながら何人かの子どもたちに乳を与えてきた人そのものの生き様やたくましく生きてきた女性の美しささえ感じられるのだ。

Y君の作品
われわれ仲間達にとっても彼の入選は励みになる。制作を続けられ来年も再来年も連れだって展覧会に来ることを約して会場を後にした。

2015年2月3日火曜日

へぎ餅を頂く

へぎ餅
私の町では古くから大寒の時期に餅をつく習慣がある。雑菌のはびこるのが最も少ないこの時期に保存食としての餅をつくのは理にかなっている。今のようにお店に行けば好きなお菓子が手に入らなかった時代に一年中のおやつや軽食として作ったのはよくわかる。多くはあられにしていたが伸した餅をある程度切りやすくなってから薄く剥いで乾燥させるものもあった。その餅も白い物から色素で赤や緑に着色した物、紫蘇や青のりや醤油で味付けした物といろいろと味のバリエーションを楽しんできた。勿論最近ではこのような手間のかかる風習もめっきり少なくなり農家の人が続けている程度なのだ。へぎ餅にしたり霰に加工して一年間の保存食になる。店に行けば訳のわからないような調味料で味が付けられたアラレのお菓子が売られているが私は素朴な農家の霰が好きだ。餅米本来の甘さや風味が感じられほのかな塩味と餅の味が口中で絶妙に混じり合った味わいは捨てがたい。良く似たものがスーパーでも売られているがどうも余計な物が入っていて志摩の農家さんが作った物とは似て非なるものなのだ。安心安全ということ以上に味覚の上でも勝っている。
このへぎ餅はいつものN氏がわざわざ自宅まで持ってきてくれた物なのだ。一枚一枚味わっていただくことにする。(ペコリ。)

2015年2月2日月曜日

八朔の収穫

今年もとれた
毎年このころに家の離れ横にある八朔を収穫している。この木は母が植えたものだがかなりの老木になってきている。隣の家に伸びた枝がかかるので剪定も大変になってきている。昨日は収穫後に剪定をしていたら隣の小母さんに礼まで言われてしまった。計画的な剪定はしていないが毎年一個のコンテナに入れきらないほどの実を付けてくれている。たくさん採れて有り難みも少なくなってきているのだがスーパーで値段を見ると驚いてしまう。自分で栽培しているとタダのように思ってしまうがお金を払ってわざわざ買おうと思わないのは贅沢というものだろうか。
一月ほどエージングをして食べると酸味も和らぎ甘くなるのだが以外とフレッシュなものも美味いと思っている。採れたてのものを口中に含み奥歯で噛みしめると何とも形容しがたいジューシーさと風味が楽しめる。私なりに考えたのだが口の中で酸素と触れさせないで一気に噛みつぶし
甘いジュースを喉に流し込むことだと思っている。