既に私の母はこの世にはいないが子どもの頃この季節になると草もちを作ってもらった記憶がある。当時は米の粉(上新粉)か小麦粉で作ってもらったと思うが、今のように白玉粉や砂糖をふんだんに使うような代物ではなかった。もっと歯ごたえもありヨモギの苦みもあったように覚えている。
先日野道を歩いていたらヨモギの若葉が目にとまった。早速新芽の柔らかいところを摘み取り湯がいてフードプロセッサーでペースト状のものを作り、とりあえず冷凍しておいた。新芽の部分を選んでつみ取ったので特にアク抜きはせず、ゆでこぼすのみとした。
母親を偲びつつ、今日はヨモギ餅を作り仏前に供えた。中に包み込む餡は小豆から作り上げた全くの手作りである。餡さえ出来れば白玉粉と分量の砂糖・水を混ぜ後はレンジで加熱するだけのいたって簡単な方法である。同じ大きさに揃えることさえ留意すればそれほど難しいものでもない。
以前は畑の周囲にもヨモギはたくさんあったが、私が菜園に精を出すようになってから苦土石灰をよく散布するので土壌がアルカリ化しているようである。ヨモギはアルカリ土壌はどうも苦手なようでいつの間にかヨモギは姿を消してしまった。もともと、畑の中にこれが入ってくれば雑草として処分しなければならず、根っこもしっかりしているので除草に労力がいる。
ヨモギでは地産地消や自給率アップにはならないがこの香りと苦みは遠い昔の母の思い出である。
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