2010年2月14日日曜日

LPレコードをCDに

 志摩ギターを楽しむ会の会員の方から所蔵しているLPのデジタル化の話があった。考えてみればCDが出てくるまではレコードかカセットテープが主流であったがあっという間にこれらのアナログソースは駆逐されてしまった。両者が共存することは無かったように記憶している。大げさに言えばレコードに記録された音源は私たちの文化遺産だと言っても過言ではない。それらのアナログソースは商業ベースに乗るものだけがCD化されていき廃盤という形で葬られていったような気がする。マニアの方はSPの時代からのソースを海外から入手したりされているが一般的ではないように思う。自分もこの時代の変わり目に立ち会ったので、好きなものはLP・CD両方を所有しているものが少なくない。ジュリアー二のギター協奏曲(J.ウイリアムズ)やセゴヴィア、イエベス、ブリームの往年の演奏はLPで初めて耳にしているし、ディヌ・リパッティ、S.フランソワ等の演奏もどちらかというとレコードの音の方が私の耳にはしっくりとくるものがある。再現する装置や私の耳はそれらを聞き分けられるくらい良いものではないが音に冴えがあるような気がしてならない。恐らくこれはレコードに針を落として聴くという儀式的なものが大いに関与している極めて主観的なとらえ方だと思うのだが・・・
 さて、会員の方のレコードだが埃の付着は少なかったがカビが所々に発生していた。これをバランウォッシャーA&B液とクロスで拭き取りサウンドカードを介してPCに取り入れた。CDと違うところはLPの場合○○倍速というわけにはいかないので、一枚のLPをCD化するのに時間がかかった。また、トラックを入れた方が使いやすいのでこの作業も取り入れていった。
 先週はこの工程を一気にし終えた。早速お渡ししたらとても喜んでいただけた。その方は、もう二度と聴けないだろうと思われていたようだった。LPだけではなく、レコードプレーヤーも現役で所蔵している人は少なくなってきているだろうし、あったとしても経年劣化で機能しなくなっている場合も多いと思う。決してマニアックなコレクターでは無いが、良いものはいつまでも残しておきたいものだと願っている。
 幼いときの味覚や多感なときに耳にしたものはいつまでも懐かしく感じられる。多分脳内では多幸感をもたらす物質が分泌されているだろうと思うのだが、私にも思い当たるフシがある。

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